ゴボウです。
客車の新旧はどこで分けるのか。調べてみましたが、電車と違って明確とは言いがたいものがありました。動力がないんですから、新しかろうと古かろうと車輪付きの金属製の箱でしかないわけでして……。
12系なんかは最高速度110km/h まで出せますが、そのあとに出た50系は43系辺りと同じ95km/h止まりですから、最高速度が分かれ目とは言えないようです。
そこでさらに踏み込んでみますと、鍵はブレーキシステムにあるようです。
12系以後の客車のブレーキは、以前からある自動ブレーキを改良し、効きを良くしたCL空気ブレーキというのが使われています。
このブレーキシステムのキモは弁装置で、非常にややこしいのですがご説明しますと、
従来のブレーキ
貫通ブレーキ管にkg/cuの圧力空気を入れておき、ブレーキ指令としてこれを抜くと制御弁が働いて空気溜から圧力空気が送られてブレーキがかかる。原理は簡単だが、ブレーキ装置自体がピストン+シリンダーなので、すり減ったら大変。
CLブレーキ
一定圧の空気を入れた定圧空気溜がある。定圧空気溜圧力とブレーキ管圧力をつねに対比させ、ブレーキ指令によるブレーキ管の増減圧との差をブレーキシリンダ圧力に使う。この3つの圧力は互いに釣り合いをとっていて、どれかの値が変わると新たな釣り合いの状態に速やかに移行するので、従来のブレーキのような機械的動作より、効きは素早くなる。このブレーキ装置の中身は、平たく言えば薄い膜で仕切られた筒で、どこかの部屋の壁が空気圧で押されて膨れた分、別のどこかの壁が凹む仕掛けで、この膜の膨らみをバネ仕掛けで大きくして弁の働きをなす。こすれ合う部分がないので手入れも楽。
ほんとは図入りの方がいいんですが、私にはこの程度までしか説明できません。もっと物理をやっとくべきでした。
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