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【334】急行「桜島」の旅〜現代版〜 真水浩一 2005/08/21 11:07 [未読]
【335】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その2) 真水浩一 2005/08/21 13:09 [未読]
【336】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その3) 真水浩一 2005/08/21 14:56 [未読]
【337】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その4) 真水浩一 2005/08/21 17:45 [未読]
【338】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その5) 真水浩一 2005/08/21 19:12 [未読]

【334】急行「桜島」の旅〜現代版〜
 真水浩一  2005/08/21 11:07

え〜・・・。不良幽霊会員の真水浩一です。オフには常連のような顔で参加しておきながら、参加表明・帰宅報告以外の発言は数年ぶりになったりして・・・。

この夏休み、ちょっと記録にとどめておきたい行動に出ましたので、ご報告しておきます。それは、「青春18きっぷ4枚利用による、桶川〜鹿児島中央、往復の旅」。
(新八代〜川内、九州新幹線利用)

何しに鹿児島まで行ったのかというと、妻の実家への帰省という、割とありがちな理由なのですが、航空券予約に出遅れてしまい(2ヶ月前の予約開始ですよねぇ)、7月上旬に気がついたときには、既に割引モノは完売。ちなみに、妻の実家は種子島で、鹿児島からさらに飛行機をもう一本乗らなくてはなりません。この超繁忙期料金の時期に飛行機2本乗り継いで家族で帰省しようなんて思ったら、家計が大変なことになってしまうのです。

で、妻と子は空席のある日を選んで乗ることにしたところ、8日〜22日の2週間に渡るビッグな帰省に・・・。休みがそんなに取れない私は、どーせ1人で行くなら青春18きっぷの旅で、となってしまったのでした。時刻表を見ると、往復とも「ムーンライト九州」を軸に組みたてたら、それほどきつい行程でもないんですよね。しかも、往路はかつての急行「桜島」の走った時間帯だったりして。

なお、妻は子どもの頃に2回ほど「桜島」で帰省しており(すごくうらやましい体験)、その記憶があったので、この計画を話したときも「行ってくれば・・・」という程度のあっさりした反応でした。当時は冷房なし・折戸式ドアの車両(ナハ10か?)、朝早くから東京駅のホームに並んで家族5人、超満員の列車でやっと席を確保して行ったそうです。西鹿児島まで、とても退屈だったそうな。

(たぶん、続く)

埼玉県桶川市  真水浩一
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【335】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その2)
 真水浩一  2005/08/21 13:09

さて、出発は8月13日朝。「ムーンライト九州」に乗るには桶川を昼頃までに出ればいいんだけれど、どうしてもこういう日は、朝早く目が覚めてしまうんですよね。桶川駅発9:14、湘南新宿ライン小田原行。急行「桜島」の時代には考えられなかったルートで出発です。
今の会社は自家用車通勤なので、電車に乗るのはすごく久しぶり。池袋の立体交差が完成してから、初めて通過します。このルートは、乗るたびに線路風景が変わりますね。新宿駅も、何やらまた工事してますし。ところで、「青春18きっぷ」はグリーン車自由席もOKになったんですね。旅行中、退屈しのぎに注意書きを読んでいて知りました。
新宿から先は変わり映えしない風景だからなのか、もう既に退屈しながら小田原に着いたのが11:17。急行「桜島」は、1961年10月の時刻表(私が見ているのは復刻版)によれば東京駅発9:18、小田原着10:41。約40分後ろを追いかけています。
この日は土曜だったので、もっと早起きすれば、新宿から「ホリデー快速ビューやまなし」という手もありました。これに乗ると中央本線回りで行っても「ムーンライト九州」に間に合うのですが、今回の旅は時間の余裕も楽しみたかったので、東海道線経由で動きました。
小田原からは、海沿いを走ります。ガラガラの車内。4人掛けボックス席を1人で陣取り、足を思いきり伸ばしながら車窓に目をやります。実は、鈍行の旅==窓を全開にして、吹きこむ風を全身で浴びながら・・・なんていう期待があったのですが、今どきの列車で冷房のついていない車両なんて無く、当然窓なんか開けられません。下手すると、ハメ殺しだったりもします。「夏だから」と思ってTシャツ1枚で乗ったら、逆に寒くて寒くて・・・。新幹線などと違ってドア開閉の多い各停用車両は、冷房が思った以上にキツイのです。結局、海も山もガラス越しに眺めながら、冷房の風に震える旅になってしまいました。
ほどなく熱海着11:59。接続の12:09静岡行は既に席が埋まっており、しばし立席で我慢することとなりました。さらに12:07着の「アクティー」からの乗換客で、車内は超満員に。11連2本の接続を4連1本で受けようってんだから、始めから無理な話です。12:49に富士到着。即、後続の富士始発12:58浜松行に逃げ出しました。今日の富士山は雲がかかっていて、裾しか見えません。でも、富士川、由比など、おなじみの風景の中を西へ進みます。
途中静岡付近から混み始め、浜松到着時はかなりの立ち客に。昼の東海道線は接続が非常によくできており、ほとんど待ち時間なく次の列車に乗りかえられるのですが、混雑時にはこれが仇となります。浜松着14:47。次の快速大垣行への乗換時間は4分。到着と同時に乗換客が、わっと移動します。座っていた私が電車を降りる頃には、もうあらかた席は埋まっており、またも立席です。
浜松発14:51。「桜島」は13:37発。差は1時間16分になりました。客車列車とはいえ、やっぱり急行は速い。現在、昼の熱海〜豊橋は、完全に各駅停車しかありませんが、せめて「青春18きっぷ」の時期だけでも、この区間を直通する臨時快速なんかあったら嬉しいんですけれどもねぇ。(あと、山陽線の岡山・広島方面もかな?)夜行だけが青春18族ではありません。昼行便の設定も、何かやって欲しいと思いました。

(続く)

埼玉県桶川市 真水浩一
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【336】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その3)
 真水浩一  2005/08/21 14:56

乗換と席取りにばっかり気を向けていたら、昼飯を食べるのを忘れていました。浜松から座れなかったこともあるので、豊橋で少し休むことにします。
これが「桜島」だったら、駅弁を買って車内で食べるところです。途中駅で兄貴が窓から降りて買出しに行ったはいいけど、短い停車時間と混雑のために席まで戻って来れず。とりあえず近くの乗車口から乗ったものの、家族は皆「乗り遅れたのではないか」と心配した・・・なんてことも、今では昔話となりました。
さっきの「直通快速」の話と逆になりますが、直通ではないために、途中駅で寄り道する楽しみがありますね。豊橋で降りて、次の快速米原行までの間、階上の立食いうどんで一服です。
快速米原行は15:37発。「桜島」は14:14発。その差は1時間23分になりました。気がつけば、「桜島」の後続、「霧島」にも浜松で並ばれ、先を越されています。(「霧島」は東京発11:00、浜松発14:46、豊橋発15:16)
この豊橋から先は快速列車が充実しているので、とても楽な旅になります。座席も全て2人掛け前向きシート。乗った車両の形式が紹介できなくて申し訳ないのですが、最近、電車の形式に疎くなってしまいまして。年を取ったからでしょうかねぇ。若い頃なら間違いなく、乗った列車を前から後ろまで移動して車番をメモっていただろうに、もうそういうこともなくなりました。でも、乗っている電車の形式すら怪しいのは、やはり残念です。また勉強しなければ・・・。
さて、お腹も満たして快適に再スタートしたけど、今度は名古屋で降りて大休止。ここで一旦改札を出て、妻と子に頼まれていた伊勢名物の某餅菓子を、お土産に買います。「なんでこんなもの頼むんだ〜」とはいえ、「名古屋を通るんだったら買ってきて!」といわれると、「嫌」と言えないものです。名古屋16:27着、17:00発。「桜島」は名古屋発15:26。30分の休憩にもかかわらず、差がほとんど開いていません。さすが現代の快速は早い。
名古屋から乗った快速米原行。8両編成だったのでゆったり・・・と思っていたら、大垣で後ろ4両切り離し。で、私の車両は後ろから3両目・・・。(乗車位置がわからなくなるほどには、まだボケていない!)道理で、空いていると思ったけど、しょうがない。大垣で前の車両へ移動しました。予想通り、既に超満員。この大垣〜米原も、東海道鈍行旅行をするときのネックの1つですね。下り「ムーンライトながら」到着時に大垣駅で行なわれる壮絶な乗換競走も、結構有名ですし。(これは、たとえば「ながら」を米原行にするとか、できないものでしょうか)新垂井経由の別線や関ヶ原、新幹線とのクロスなど、見所の多い区間ですが、なんか、いつ乗っても混んでいるという感じです。
米原で新快速播州赤穂行に乗り換えて、野洲で降ります。野洲着18:49。ここで約2時間の休憩時間を取り、駅前のスーパー銭湯に入ります。
本当に駅前にあって、とても便利です。これまでもこの銭湯に立ち寄って、大垣から上り「ムーンライトながら」に乗るなんて形で、何度もお世話になりました。下り方面の旅行で立ち寄るのは、初めてかな?。
風呂で汗を流し、レストランで夕食を取り、座敷で足を伸ばして、これからの夜行乗車に備えます。昔は冷房もない車中で(下手すると、SLの煤煙に巻かれながら)、ベトベトの汗を我慢しながらの旅行だったんですよね。一風呂浴びて、「桜島」時代には味わえない、ちょっと贅沢な気分になりました。

(続く)

埼玉県桶川市 真水浩一
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【337】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その4)
 真水浩一  2005/08/21 17:45

野洲駅前のコンビニでビールとおつまみ、それとサンドイッチ(これは翌日の朝食)を買って、再び車上の人となりました。野洲発20:48、新大阪着21:40。いよいよ「ムーンライト九州」です。
21:50。EF65PFを先頭に、「ムーンライト九州」が14系8両で入線してきました。14系改造車という、関東人の私にはあまり馴染みのない車両なので、ちょっと細かく観察してみました。車内は座席が交換されていて、パッと見た目では関東の183系電車などと同じ雰囲気です。14系特有の荷物置場は、一部が拡張されていますが、おおむねそのまま。最後部の8号車(オハフ)には展望室が設置されていて、ちょっとしたジョイフルトレイン感覚が味わえるのがポイントです。(1号車のスハフには展望設備なし)ただ、夜行列車にこの手の設備があると、必ずここで横になって寝る人がいるんですよねぇ。困ったもんです。
「ムーンライト九州」の新大阪発車は22:01。指定の4号車の席に着き、野洲で買った缶ビールを開ける間もなく、すぐ発車時刻となりました。そして発車の瞬間!ガツガツーン・・・と来ました、客車独特の衝撃。今の今まで、客車とはこういうものだと言うことを、すっかり忘れていました。そう言えば、前に客車列車に乗ったのは、いつだろう?。いつの間にか、姿を見なくなったなぁ。だけど、この衝撃に一晩中さらされるのでは、先が思いやられます。
「桜島」も「霧島」も、言うまでもなく客車ですが、駅を発車するたびにこの衝撃を引きずって、鹿児島まで走っていたんですね。いや〜、思ったより大変な旅だ・・・。その「霧島」は大阪を既に3時間前に通過、この時刻には岡山にいます。「桜島」はさらに1時間先行して、福山付近を走行中。風呂に入っている間に、ずいぶんと離されてしまいました。

一夜明けて、8月15日(日)。今日は休日なので、博多着は7:54になります。門司で鹿児島本線各駅停車に乗りかえれば、もっと早く着くのだけど、鹿児島を14:30に出る高速船の予約を取っており、急ぐ旅ではないので、そのまま「ムーンライト九州」で行くことにしました。
夜行明けの全席指定列車。1人、また1人、乗客が大きな荷物を抱えて降りていく。乗ってくる人はいない。だんだん空いてくる車内の、まだちょっと眠気の残る空気。流れる外の景色を、覚めきらない目でボーっと眺める。こういう雰囲気、大好きです。
博多到着。ホームに降り立つと、さっきまでの気だるい雰囲気から、朝のピンと張り詰めた世界へ、一気に引き込まれます。嫌だけど、引き込まれます。このギャップにはいつも泣かされます。まぁ、今日はこれから仕事って訳でもないので、気を取りなおして次の電車に乗るとしましょう。
ところで、「桜島」はといえば、博多発6:14、「霧島」は7:07。夜のうちにPF機が頑張ってくれたおかげで、だいぶ追いつきました。山陽本線は、1961年当時はSL牽引でしたっけ?
なお、誤解のないように付け加えますと、私が今参考にしているのは1961年10月の時刻表ですが、妻が子どもの頃「桜島」に乗ったのは、1972年頃のことです(1961年では生まれていない・・・)。1972年頃の「桜島」は門司まで「高千穂」併結で、最後まで残った東海道・山陽筋の長距離客車急行でした。既にSL牽引区間はなく、電化・複線化などで、到達時刻はかなり改善されています。
さて、博多を8:18の快速「三井グリーンランド」号で出発です。なぜ、こういう名前なんでしょうか。駅でも車内でも特に案内はなく、普通の快速として走っています。瀬高で、追い越し待ちの各駅停車熊本行に乗換。さっきの快速もこの各停も、転換式の前向き2列シートです。大阪の新快速をはじめ、名古屋でもこの九州地区でも、このタイプの座席が主流ですが、関東のJRでは見ませんねぇ。どうしてだろう、楽なんだけど。
いわゆる「ロングシート」っていう横向き座席が主流なので、長距離乗車は疲れます。(グリーン車に乗れってことかな?)

(続く)

埼玉県桶川市 真水浩一
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【338】急行「桜島」の旅〜現代版〜(その5)
 真水浩一  2005/08/21 19:12

この付近から、建設中の九州新幹線の高架があちこちに見えてきます。これが開通したら、今乗っているこの並行在来線は、第三セクターになってしまうんでしょうか。今回の旅行でも、新八代〜川内は「肥薩おれんじ鉄道」に衣替えしてしまい、「青春18きっぷ」では乗れません。このまま新幹線の開通と第三セクター化の拡大が続けば、「青春18きっぷ」で鹿児島へ行くのも、これが最初で最後になるかも知れません。
さて、熊本着10:22。この先は10:30発の八代行ですが、出ました、2両編成のワンマン列車です。う〜ん、やっぱりいずれは第三セクターかな?。でも、ワンマン列車と言っても結構乗客は乗ってるし、私は座れずに、新八代まで立っていきました。本当に運転士が運賃扱いをする無人駅は1つか2つ。そんなに心配することはないのかな?。
新八代駅着11:01。ここから先は、本来なら肥薩おれんじ鉄道の運賃を払って各駅停車の旅を続けるのが筋ってものでしょうが、この運賃が2550円、所要時間2時間弱。一方、同区間の九州新幹線が自由席特急料金込で3450円、所要時間34分とくれば、どうします?・・・と言うわけで、新幹線に乗りました。新八代発11:16。
※あとで分かったことですが、肥薩おれんじ鉄道は「青春18きっぷ」利用者専用として、2000円のフリーパスを販売していました。※
車内は、これまでの優等列車用車両にありがちなフカフカ感が少なく、肘掛に木材を使用するなど、すごく自然チックな内装です。お盆なのに谷間の日に当たったためか、それとも時間帯のせいか、乗客がとても少なく、並行在来線よりも新幹線の方の将来が心配になるほどでした。(でも帰りは混んでいたので、ご心配なく)
新幹線は速い(あたりまえ)。席に着いて、ちょっと荷物を気にしていたら、すぐに川内に着きました。11:50着。次の在来線鹿児島中央行は12:22の発車。ところが、今降りた新幹線の鹿児島中央到着が12:03。要は、乗換でうろうろしている間に、新幹線は鹿児島に着いてしまっているんです。速いねぇ。やっぱり新幹線は、まだまだ時代に求められているんですねぇ。
これだけ速いのだから、「桜島」「霧島」にも、かなり追いついているはず。と思って時刻表を見ると、「桜島」は川内発11:29。いい線まで追いつきました。「霧島」は、川内発12:23。あれ、追い越してしまった。
さて、再び現代の「青春18きっぷ」の旅に戻って、これが今日最後の列車、川内発12:22鹿児島中央行。川内駅のホームから、昔の「霧島」とほぼ同時発車です。
この区間は、いきさつはいろいろあったのでしょうが、新幹線開通後もJR線として存続しています。そして、この列車はワンマン列車です。そう思うと、熊本周辺もまだ期待が持てそうですね。それよりも、私自身に「今度の青春18きっぷ旅行」があるのだろうか。ここまで、また来れるんだろうか。いつまでも体力が持つわけでもないのに・・・。
なんて思っているうちに、ついに到着しました。鹿児島中央駅13:06。長いような短いような、約28時間の鉄道三昧の旅でした。かつての「桜島」は西鹿児島着12:33。結局、追いつけませんでしたが、小田原での約40分の差は広がるでもなく縮まるでもなく。一方、「霧島」は13:25着。完全に引き離しました。
この後バスで、本物の桜島を見上げる鹿児島港の北埠頭へと向かいます。高速船で1時間35分。種子島はもうすぐです。

1972年の急行「桜島」の旅では、さらにおまけがつきます。当時、高速船はなく、2日に1便しかないフェリー(午前発)を待つために、鹿児島で1泊するのでした。

(終わり)

埼玉県桶川市 真水浩一
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